豊かな自然に育まれたさとうきび。さとうきび酢には普段不足しがちな栄養が豊富に含まれています!
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さとうきびの多段階利用と地域振興
 九州沖縄農業試験場 吉元先生の発表

■ヒト腫瘍細胞増殖抑制作用
 三村精男教授の研究
さとうきび酢と他のお酢との比較
さとうきび酢に含まれる豊富な栄養素
さとうきび酢の健康パワー
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奄美大島は長寿の島

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ヒト腫瘍細胞増殖抑制作用

奄美大島健康食品因子研究の概要 山梨大学工学科 物質・生命工学科 三村精男教授
【平成14年3月27日 日本農芸化学会大会(仙台市)において発表の論文より抜粋】

 
奄美大島との関係
かねてより日本の長寿地域の発酵食品の機能性に注目して、種々な食品の機能性を研究してきた。自然が作り出す穀類、種子、搾り汁など農産物を微生物の作用によって醗酵した多くの健康食品が日常食卓にあがっている。こうした醗酵食品は農産物と微生物の合作による健康食品である。しかし、健康によい成分とそれらの生理作用(どのように身体によいのか)は必ずしも解明されていない。健康によい成分が解明されれば、これを有効に活用する新しい食品や商品の開発が可能になる。

 奄美大島はその気候風土から長寿の食文化があることがしられている。栄養学の観点からは奄美大島の長寿食文化の調査研究も行われてきた。しかし、私は、奄美大島の食生活から考えて醗酵食品は大きな位置を占めていると考えている。そこで、多くのみなさんの御協力により奄美大島の長寿食文化について、現地調査、文献調査を行ってきた。その結果さとうきびを中心とする食文化、ソテツの醗酵食品(蘇鉄澱粉)などが奄美大島の独特な醗酵食品であることがわかった。

 一方、世界中の醗酵食品の健康促進作用に注目して研究してきたが、その身体成分のサビが生活習慣病(ガンや成人病など)を引き起こしている。)の観点から研究してきた。市販されている「醗酵酢」の「活性酸素消去作用」を調べたところ「奄美さとうきび酢」は中国黒酢、鹿児島黒酢、沖縄もろみ酢、米醸造酢等とは異なった特徴があることがわかった。そこで、「奄美さとうきび酢」の機能性に注目して詳しい研究を行ってきた。

 奄美大島の黒糖と、さとうきび絞り汁を「自然醗酵」(その土地に定着している微生物を、自然なままで活用して醗酵させる古来の醗酵食品の製造方法)させたさとうきび酢は、近代食品工業の製品とは異なった身体によい成分が温存されていることが期待されている。

 こうした背景から奄美大島の長寿食文化に興味を持って、さとうきびや蘇鉄などの醗酵食品に注目して研究している。

奄美さとうきび酢のヒト腫瘍細胞増殖抑制作用
 奄美さとうきび酢、中国黒酢、鹿児島カメ仕込み黒酢、沖縄もろみ酢、米酢、玄米酢、ワインビネガーなど市販されている醗酵酢の「活性酸素作用」を分析したところ、「奄美さとうきび酢」は鹿児島カメ仕込み黒酢や沖縄もろみ酢よりも強い「活性酸素消去作用」を示した。そこで、さとうきび搾り汁の自然醗酵の経過を追って詳細に「活性酸素消去作用」を分析した。その結果、最初の10日間の醗酵(糖分からのアルコール醗酵とアルコールからの酢酸醗酵の期間)では、「活性酸素消去作用」が急激に上昇し、10日目に最高に達することが観察された。これは微生物によってさとうきび成分が変化し、「活性酸素消去作用」を持った成分を生成しているものと考えた。ところが醗酵が終了して、1年間の製品さとうきび酢熟成期間における「活性酸素消去作用」は熟成と共に低下した。この変化は熟成と共にさとうきび醗酵成分の自然な緩慢に進行していることによると考えられた。

 一方、ヒトの白血病細胞や骨肉腫などの腫瘍細胞(フラスコの中で培養できるように馴化した細胞)に対するさとうきび酢成分の生理活性を調べた。その結果は「活性酸素消去作用」の経過とは異なって、1年間の熟成を経た製品さとうきび酢において最も強い「腫瘍細胞増殖抑制活性」が認められた。

 以上から、奄美さとうきび酢には、強い「活性酸素消去作用」を持った成分が醗酵によって生成すること、その活性は醗酵10日目で最大に達し、熟成経過で低下することがわかった。一方、「腫瘍細胞増殖抑制活性」は熟成した製品において最も強い作用が観察された。白血病細胞へのこの作用は、緩慢に白血病細胞を死に追いやっている(専門的にいえば「白血病細胞を分化誘導している」)ことが考えられた。

今後の課題
 さとうきびに由来するどのような成分が、奄美大島の自然醗酵微生物によって「活性酸素消去作用」を持った成分に醗酵変化していくのか?
そして、それらの成分が1年間の熟成によって、どのような「腫瘍細胞増殖抑制活性」を持った物質成分に変化していくのか?それらの成分は、どのような作用で白血病細胞を死に追いやっているのか?また、熟成したさとうきび酢に含まれている本研究で認識した成分が「健康によい成分」として作用していると考えて良いのか?等を解明する研究を行っている。
 

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