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いろいろな黄色

黄色にもいろいろな黄色があります。ここでは、そんなイエロー系の色を少しだけ紹介したいと思います。(※閲覧環境により表示の色は実際と違って見えます。)

pick up『クロムイエロー』

・油色[あぶらいろ]
・イエローオーカー[yellow ocher]
・鬱金色[うこんいろ]
・エクリュ
・黄土色[おうどいろ]
・芥子色[からしいろ]
・苅安色[かりやすいろ]
・枯色[かれいろ]
・枯草色[かれくさいろ]
・款冬色[かんとういろ]
・黄水仙[きずいせん]
・生成色[きなりいろ]
・キャナリィ[canary]
・金絲雀色[きんしじゃくいろ]
・金茶[きんちゃ]
・支子色[くちなしいろ]
・香色[こういろ]
・ゴールド[gold]

・サフランイエロー[saffron yellow]
・サンフラワー[sunflower]
・雌黄[しおう]
・宍色[ししいろ]
・ジャスミン[jasmine]
・シャトルーズ イエロー[chartreuseyellow]
・白茶[しらちや]
・白橡[しろつるばみ]
・ストロー[straw]
・卵色[たまごいろ]
・藤黄[とうおう]
・玉蜀黍色[とうもろこしいろ]
・砥粉色[とのこいろ]
・菜種油色[なたねあぶらいろ]
・菜の花色[なのはないろ]
・ネープルス イエロー[Naples yellow]
・バターカップイエロー[buttercup yellow]
・肌色[はだいろ]
・ハニーゴールド[honey gold]
・フラグラント オリーブ[fragrant olive]
・プリムローズ イエロー[primrose yellow]
・ブロンド[blond]
・ベージュ[beige]
・マスタード[mustard]
・マリーゴールド[marigold]
・ミモザ[mimosa]
・メイズ[maize]
・木蘭色[もくらんいろ]
・山吹色[やまぶきいろ]
・ライム グリーン[lime green]
・ライムライト[lime light]
・卵黄[らんおう]
・レモン イエロー[lemon yellow]
・藁色[わらいろ]


宍色[ししいろ] 肌色[はだいろ]

 750年頃の天平時代には、肌のことを宍[しし]といい、その色を宍色といっていました。現在でいう肌色のことです。
 肌色は、日本人の平均的な肌色で膚色[はだいろ]と書くこともあります。


香色[こういろ] 木蘭色[もくらんいろ]

 チョウジ(丁子)やモクラン(木蘭、モクレンのこと)、キャラ(伽羅)などの香木[こうぽく](香道に用いる木)の心材を使って染めた色を香色といいます。
 染料としてモクランを使うこともあるので、木蘭色ともいいます。
 僧侶の袈裟[けさ]の色は、この香染による色ですが、木蘭色と書いて、「もくらんじき」と読みます。
 木蘭の重ねの色目は、季節は冬で、表が黄、裏が黒です。


ベージュ[beige] エクリュ 生成色[きなりいろ]

 毛織物は羊毛を素材とした織物で、羊毛を洗浄し漂白してから目的に応じて染色します。羊から刈り取ったままの漂白前の羊毛に見られる明るい茶色をベージュといいます。ベージュは慣用的によく使う色名です。
 19世紀後期に、ベージュは英語の色名になりました。フランス語でもページュといいますが、工クリュもベージュと同じような意味で使われることがあります。
 日本語では生成色になり、漂白前の羊毛の色ばかりではなく、明るい茶色に染め上げた布地の色も生成色といいます。
 1970年代に自然志向がトレンドになって、茶系の色がナチュラルカラーといわれ、流行色になりましたが、その中にべージュも含まれていました。


白茶[しらちや] 白橡[しろつるばみ]

 橡色[つるばみいろ]は、クヌギ(櫟)の実であるドングリ(団栗)を染料にした色で、明るい茶色です。かつてはそれを白橡といっていましたが、後世に白茶というようになりました。
「白茶ける」という言葉があります。これは、茶に関係なく、色が退色して薄くなった状態のことをいいます。また、盛り上がっていた場が「白ける」という表現も「白茶ける」からきた言葉です。


卵黄[らんおう] 卵色[たまごいろ]

 卵黄は、鶏卵[けいらん]の黄身の色です。卵色[たまごいろ]ともいいます。
 現在は鶏舎で飼われているニワトリの卵よりも、地鶏や放し飼いのニワトリの卵に関心がもたれています。
 地鶏の卵の黄身は、この色名のような赤みが強い黄橙です。卵料理はギリシャ時代にも存在していました。日本では、卵料理は安土桃山時代に始まったとされています。ニワトリそのものは、日本では弥生時代にも食肉用として飼われていましたが、その卵を食用としていたかは定かではありません。


山吹色[やまぶきいろ] 款冬色[かんとういろ] 菜の花色[なのはないろ]

 山吹色は、ヤマブキ(山吹)の花の色です。大判小判の黄金色[こがねいろ]を思い浮かべるので、山吹色といえば大判小判の代名詞のように使われていました。
 『歴世服飾考』には、カントウ(款冬)とは平安時代におけるヤマブキの別称で、位階色の禁色とされていた黄丹色のことを、款冬色といえば許されたと記録されています。
 菜の花色は、菜の花の俗称で知られるアブラナ(油菜)の黄色い花の色です。食用や灯火用として使われる菜種油を採取するため、アブラナといいます。そのアブラナを燃やして採取する煤は、良質の黒顔料になります。
 山吹の重ねの色目は、季節は春で、表が黄、裏が紅です。


ストロー[straw] 藁色[わらいろ]

 日本でワラ(藁)といえば収穫を終えたイナワラ(稲藁)をいいますが、欧米ではストロー=ムギワラ(麦藁)のことです。藁色はムギワラの収穫後の枯れた淡い黄で、イナワラも同じような色です。
 ムギワラの茎は筒状で、それをストローといいます。色名のストローはムギワラの茎の色です。ストローをつぶしてバスケットや麦藁帽子を作るなど、民芸品として細工物に利用されています。
 イナワラは利用範囲が広く、草履、ワラ靴、雨具などの他、ナワ、ムシロ、米俵など、生活用品には欠かせないものでした。イナワラを燃した後の灰は媒染剤としても使われていました。


メイズ[maize] 玉蜀黍色[とうもろこしいろ]

 メイズとはトウモロコシ(玉蜀黍)のことです。色名のメイズは、甘みがあるハニースイート種のトウモロコシの実が熟した状態の黄を指します。玉蜀黍色ともいいます。トウモロコシはゆでるなどして食べますが、ゆでると黄みが強くなります。
 トウモロコシはイネ科の植物で、赤茶や紫などの実が成る品種もあります。トウモロコシが南米から西欧に伝来したのは、コロンブスの時代以降のことで、メイズが色名として定着したのは19世紀頃とされています。


ブロンド[blond]

 人種によって、肌色や髪の色は異なります。日本人の髪の色は黒髪ですが、欧米人の髪はメラニン色素が少なく、多くは茶や赤、黄(ブロンド)です。人間の髪の色としては明るい部類に入る(白髪は除く)黄色がブロンドです。
 ブロンドといえば白人の特徴的な髪の色を連想しますが、実は個人差があり千差万別です。ブロンドの髪の色を象徴的にとらえた色名です。
 健康的なピンクみの白い肌に、青い瞳と明るく黄みのあるブロンドの髪は、とてもよく映えてきれいなものです。


フラグラント オリーブ[fragrant olive]

 フラグラントオリーブ、別名スイートオリーブは、キンモクセイ(金木犀)のことで、色名のフラグラントオリーブは、その花に見られる黄橙です。
 キンモクセイは、10月頃に多数の小さな黄橙の花を咲かせます。街角を歩いていると、どこからか漂ってくるよい香りに出合うことがあります。立ち止まって周囲を見ると、黄橙の花をつけた庭木を見つけ、それがキンモクセイであることに気づきます。
 白い花を咲かせるギンモクセイ(銀木犀)という種類もあります。一般にはキンモクセイのほうが多いようです。


ジャスミン[jasmine]

 ジャスミンの花に見られる黄色です。ジャスミンは日本原産はなく、江戸時代の元禄期(1688〜1704年)に渡来したものとされています。オウバイ(黄梅)といわれるものもジャスミンの仲間です。
 ジャスミンはよい香りを楽しむために、観賞用として花壇や鉢植で見ることができます。ジャスミンは、ジャスミン油を採るためにも栽培されています。ジャスミンの中でも、ハゴロモジャスミンやシルクジャスミンの花は白です。
 中国茶にマツリカ(茉莉花、ジャスミンの一種)の花を混ぜたジャスミン茶は中国料理に欠かせないもので、健康飲料としても人気があります。


プリムローズ イエロー[primrose yellow] 黄水仙[きずいせん]

 外来種のサクラソウをプリムローズといいます。プリムローズイエローの基になっているのは、その一品種であるプリムラポリアンタの黄色い花の色です。
 日本原産のサクラソウ(桜草)と外来種のサクラソウは、同じプリムラ属に属します。日本原産のサクラソウは、桜のような花を付けるためにサクラソウと呼ばれます。
 キズイセン(黄水仙)は、ラッパズイセン、クチベニスイセン(口紅水仙)、タイハイスイセン(大杯水仙)の一種で、小輪で黄色の芳香がある花を咲かせます。
 スイセンを英語ではナルシサス[narcissus]といいます。これは、ギリシャ神話で美少年ナルキッソスが、水に映った自分の姿に恋をして入水自殺した後にスイセンが芽生え、花を咲かせたことに由来します。


サンフラワー[sunflower] 藤黄[とうおう] 雌黄[しおう]

 夏の太陽に向かって元気なようすを見せるヒマワリの黄色い花の色です。
 サンフラワーとはヒマワリ(向日葵)のことで、太陽を追いかけるようにして花が咲くことから、この名前が付いたとされています。ヒマワリの絵で有名なゴッホの没後19世紀末に、サンフラワーという色名が使われるようになりました。
 トウオウ(藤黄:ガンボージ)はオトギリソウ科の熱帯常緑の喬木[きょうぼく]で、樹液はきれいな黄の顔料になります。色名の藤黄はその顔料の色です。その黄の顔料を雌黄[しおう]、日本画の絵の異名では草雌黄[くさじおう]といい、色名の雌黄はその顔料の色です。


マリーゴールド[marigold] 鬱金色[うこんいろ]

 マリーゴールドは、メキシコ原産のキク科の花に見られる黄色です。
 マリーゴールドの日本名はマンジュギク(万寿菊)、センジュギク(干寿菊)で、観賞用の花として好まれています。花の色は主に黄ですが、赤や橙もあります。
 野菜などの収穫が終わり、次の作付けに移る端境期[はぎかいき]の畑に、マリーゴールドが植えられているのを見ます。こうすると、土の消毒や土中の虫除けに効果があるためです。
 ウコン(鬱金)はショウガ科の多年草で、ショウガ(生妻)と同じような大きさ、形の根をもちます。これを粉末状にしたものが黄の染料で、その染料の色が鬱金色です。ウコンは、カレーやきんとんなどの食品の着色料としても利用されます。
 ウコンは、漢方薬として肝臓や健康増進にもよいとされます。


サフランイエロー[saffron yellow]

 サフランイエローは、サフランの花に見られる黄色です。
 サフランはアヤメ科の多年草で、園芸上では春咲きのものをクロッカス、秋咲きのものをサフランとして区別しています。乾燥させた雌しべの柱頭[ちゅうとう]は、黄の染料にもなり、鎮静剤や止血剤に使われます。雌しべに含まれる精油には芳香があり、料理の風味付けに利用されています。


バターカップイエロー[buttercup yellow]

 バターカップイエローは、キンポウゲの花に見られる黄色です。
 バターカップはキンポウゲ(金鳳花)のことです。道端などでよく見かける、黄色の花が咲くウマノアシガタの八重咲きのものを、一般的にキンポウゲといいます。
 キンポウゲ科の多年草であるキンポウゲには、ハクサンイチゲ、ヒメイチゲ、フクジュソウ、オキナグサ、オダマキ、クレマチスなど、多くの種類があります。


支子色[くちなしいろ]

 クチナシを辞書で引くと、梔子とありますが、色名では、故事にならって支子色と書きます。クチナシの実から採った染料で染められた黄色です。
 アカネ科の常緑灌木であるクチナシは、初夏によい香りのある白い花が咲いて結実させます。
 クチナシは食品の着色料としても使われ、漢方薬では不眠症、止血などの治療に使われています。
 クリ(栗)やザクロ(石榴)などは、実を包んでいるところは種を出すために口を開きますが、クチナシの実は口を開きません。そのため「口無し[くちなし]」といわれるようになりました。それをもじって、支子色のことを「言わぬ色」ということもあります。
 平安神宮の薬草園に植えられているクチナシの、その脇に「耳なしの山のくちなし えてし哉 おもひの色のしたぞめにせん」と書かれた木札があります。これは古今集所収の歌ですが、「おもひの色」とは緋色[ひいろ]のことで、「思ひの色」と書いて、「ひ」を緋色の緋に掛けたものです。これは、「緋色は下染めにクチナシによる黄色を使う」という内容です。
 落語の演目の1つに雑俳[ざっぱい]というものがあります。大家さんと店子[たなこ](借家人、大家に対して店子という)が俳句を作る話ですが、店子の熊さんが庭に咲いているクチナシの花を見て「くちなしや 鼻から下はすぐに顎[あご]」という句を作っています。口がないのだから、鼻の下はあごになるという意味です。


ゴールド[gold] 金茶[きんちゃ]

 かつては、赤みの茶を金茶といっていましたが、金の色を思わせるようなという意味に転じて、黄みの茶色を金茶というように変わりました。慣用的によく使われている色名です。
 ゴールドはサンスクリット語(インドの古語)の「輝く」という言葉に由来する色名とされています。色名として使われるようになったのは15世紀頃ですが、その色は金属の金そのものの色とは異なっていたようです。単色の顔料などでは、金の色を表現するのはむずかしかったためでしょう。
 古代エジプトの王ツタンカーメンの黄金のマスクが発掘されたことからも、金が古い時代から貴重な金属だったことがわかります。13世紀のイタリアの商人マルコポーロは、『東方見聞録[とうほうけんぶんろく]』で、日本を「黄金の国ジパング」と紹介しました。
 江戸時代、徳川幕府による全国支配を強めるための政策の一環として、大判・小判が作られました。これは諸藩への経済政策でもありました。佐渡や陸奥[むつ](現在の青森県、岩手県)で産出された金は中央の幕府に集められ、貨幣ばかりではなく、仏像や寺院などの建立にも使われました。
 金という名が付く鉱物には5種あります。金が黄金[こがね]、銀が白金[しろがね]、銅が赤金[あかがね」、鉄が黒金[くろがね」鉛が青金[あおがね]で、江戸時代からいわれているものです。現在でも銅のことをアカガネということがあります。
 金は高価なものですから安易に使えないので、その代用品として、金の発色に似た真鍮[しんちゅう]を使うことがあります。


イエローオーカー[yellow ocher] 黄土色[おうどいろ]

 黄土色は、天然の黄色い土を黄顔料にした色です。
 水に土を入れておくと粗いものは沈殿し、細かなものが上澄みの水に残ります。その細かな土を採取し、ごみなども除去して顔料とします。この顔料の色名が黄土色、英語ではイエローオーカーで、この作業を「水簸[すいひ]」といいます。
 黄土は北半球のほとんどの地域から産出する黄顔料で、古くから使われてきました。


ハニーゴールド[honey gold]

 ハニーは蜂蜜のことで、金にもたとえられるような色ということで、ハニーゴールドといわれます。
 蜂蜜は、天然に産するものよりも、養蜂[ようほう]によるものが一般的です。蜂蜜は果糖とブドウ糖からできており、栄養価が高く、砂糖よりも優れた甘味料といわれています。蜂蜜がカステラによく使われるのは、甘味としてだけでなく、焼き色においしそうな色合いを出すためです。
 蜂蜜は花によっていろいろな種頬があり、上質な蜂蜜ほど透明度が高く、そうでないものはにごった黄色です。容器に入れたまま放置すると、白く固まります。これはブドウ糖が結晶したためです。


油色[あぶらいろ] 菜種油色[なたねあぶらいろ]

 油色、または菜種油色は、菜種油に見られる緑みの黄色です。
 菜種油は、ナノハナ(菜の花、アブラナ)の種から採取した油です。菜種油は植物性で、食用のほかに灯火用としても利用されてきました。
 墨[すみ]の原料である煤[すす]は、菜種油や松ヤニを燃して採取しますが、煤の粒子は菜種油のほうが細かく良質なので、松ヤニから採る油(松煙油)はあまり使われなくなっています。


マスタード[mustard] 芥子色[からしいろ]

 マスタードは洋がらしの黄色で、芥子色ともいいます。
 マスタードはカラシナ(芥子菜)の種を粉末状にしたもので、日本のものを和がらし、欧米のものを洋がらしといいますが、ふつうマスタードといえば洋がらしのことを指します。からしは、そのまま使ったり、マヨネーズなどと混ぜたりして、香辛料として使われます。
 芥子と唐辛子[とうがらし]とは別もので、唐辛子は一般にいわれるタカノツメ(鷹の爪)のことです。唐辛子の形状が、鷹の爪に似ていることから付いた呼び方です。色は鮮明な赤で、鷹の爪のような鋭さを感じさせる色です。


砥粉色[とのこいろ]

 砥粉色は砥粉に由来するベージュのような明るい茶色です。砥粉は、砥石の粉、または黄土を焼いて粉にしたものをいいます。
 包丁や鋏[はさみ]などの刃物を研ぐときに砥石[といし]を使いますが、それには荒砥[あらと]、中砥[なかと]、仕上げ砥があります。荒砥は刃こぼれなどの調整用、中砥は刃立て用、堅い砥石は仕上げ用です。中砥石で刃物を研ぐと粉末が出ます。それが砥粉です。
 黄土を焼いて作った粉末の砥粉は、白木の化粧、漆器の下地塗り、木材の目止めなどに使われるほか、かつては香油を混ぜて男優がファンデーション代わりに使っていました。現在では人造砥石もありますが、これは砥粉に合成接着剤を混ぜて固めたものです。
 砥粉はフレスコ画にも使われました。砥粉に白を混ぜると肌色の表現によいとされて、顔料としても使われていました。フレスコ画とは、石灰や石膏などで作った壁に、水溶性の絵の具で絵を描いたものです。壁が乾くと色は定着するので変色しませんが、発色が鈍くなるという特徴があります。ローマのシスティーナ礼拝堂の壁画は、ミケランジェロが描いたものとして有名ですが、これもフレスコ画です。11〜12世紀のロマネスク様式の教会堂内部にはフレスコ画の壁画が多く見られます。これがゴシック様式に変わると壁画が少なくなり、窓と柱が多くなってステンドグラスが使われるようになります。ステンドグラスは、色ガラスを切り取って鉛のレールでつなぎ合わせて絵模様にしたものです。ステンドグラスを通して外光が教会堂の中に入ってくるようすは、荘厳な雰囲気があります。パリのノートルダム寺院のステンドグラスは、とくにその美しさで有名です。


枯草色[かれくさいろ] 枯色[かれいろ]

 枯草色は、草が枯れた状態の灰みの黄色です。枯色ともいいます。
 植物にはタンニン質があります。それは、茎や葉が傷ついたときに、タンニンがにじみ出てその傷をなおすためといわれています。タンニンは茶色の染料として使われますが、枯れた草にはタンニンが含まれるので灰味の黄色になります。


ライムライト[lime light]

 ライムライトは石灰を酸水素ガスの炎で熱し、白色光を発する装置です。白色光といっても、実際は淡い緑みを少し感じさせる黄色です。その光の色がライムライトです。
 電気が発明される以前の舞台照明には、燈火ランプやロウソクなどが舞台の袖などにおかれていました。19世紀の初頭になるとガス燈が盛んに使われるようになり、手軽だったため多用されますが、英国やアメリカ、フランスなどで、舞台での火災が多発し使われなくなりました。この時期のもう1つの舞台照明が、ライムライトです。
 ライムとは石灰です。円筒の中に入れた石灰を酸素ガスと水素ガスで熱すると白色光を発し、その白色光を反射鏡で集めて舞台に向けます。客席を暗くして舞台照明の効果をあげる方法はその頃考えられたもので、舞台を明るく見せる方法の1つです。


苅安色[かりやすいろ]

 イネ科の植物カリヤス(苅安)の茎や葉を乾燥させたものは、黄の染料になります。その染料で染めた黄色が苅安色です。
 カリヤスの多くは、近江地方(現在の滋賀県)が主産地であったことから、カリヤスといえば近江産のものを指します。カリヤスは古くから使われていた黄染料です。カリヤスで下染めしてから藍染を重ねると緑に染めることができます。
 よく知られている織物の黄八丈[きはちじょう]の染料にはハチジョウカリヤス(八丈苅安)が使われていました。ハチジョウカリヤスとはコブナグサ(小鮒草)のことで、中国から入ってきた黄染料です。近江産のカリヤスとは別のものです。


ミモザ[mimosa]

 ミモザの花に見られる黄色です。ミモザは、マメ科アカシア属のギンヨウアカシア、フサアカシアなどの別名です。アカシアの花は、30個ほどの小さい黄色の花が集まっていて、これが1つの花のように見えます。フランスのミモザはハナアカシアという種類で、やはり小さな花が集まっているところに特徴があります。
 フランスでは、ミモザは春の訪れを感じさせる花として人々に愛されており、切り花としても栽培されています。


ライム グリーン[lime green]

 ライムの実はレモンの半分ほどの大きさの柑橘類で、その果皮の色がライムグリーンです。
 ライムの実は柔らかく多汁で、レモン同様に強い酸味と香りをもちます。紅茶、サラダ、焼き肉などには、レモンよりも合うとされています。
 メキシコでは、強い酒のテキーラを飲んだ後に、ライムの果汁をすする風習があるということです。


シャトルーズ イエロー[chartreuseyellow]

 シャトルーズイエローは、フランスのクランシャトルーズ修道院で作られたリキュールの色に由来する色です。
 シャトルーズには、緑みの黄と黄緑がありますが、明るい黄緑は青リンゴを意味しています。リキュールはアルコール、砂糖、香料、色素などを混ぜたもので種類も多く、カクテルやお菓子などに使われます。リキュールの主産地はフランスで、同じものを英国ではコーデイアルと呼びます。


ネープルス イエロー[Naples yellow]

 ネープルスイエローは、黄顔料の代表的な鉛アンチモン化合物の色に見られる、明るく緑みの黄色です。
 中世に、イタリア南西部の港湾都市ナポリ(英語名:ネープル)でよく使われていたことに由来する色名です。ベスビオ火山の鉱物で作られた顔料の色であるといういい伝えに由来するという説もあります。ネープルスイエローは絵の具には欠かせない色です。
 現在、ネープルスイエローは、カドミウムイエローとチタンホワイト、イエローオーカーで作られています。


レモン イエロー[lemon yellow]

 レモンの皮の鮮やかな色がレモンイエローです。
 レモンイエローは、ネープルスイエローと同系の色ですが、それよりも緑みを強く感じさせる黄で、レモンの果皮に見られる色です。レモンの果皮は、未熟なときには緑ですが、熱してくると次第に黄みを増し、いわゆるレモンイエローになります。
 レモンの原産地は、インドのヒマラヤ地方で、ヨーロッパのアルプス南側に古くから伝わっていました。当時のレモンは、現在のような鮮やかな黄ではなかったようです。1875年にクロームを原料とした合成顔料のクロームレモンが作られ、レモンイエローとして絵の具には欠かせない色になっています。


キャナリィ[canary] 金絲雀色[きんしじゃくいろ]

 キャナリィは、大西洋上にあるカナリア諸島原産の小鳥であるカナリアの羽根に見られる黄色です。
 日本にカナリアが伝わったのは江戸時代天明期(1781〜1789)で、黄の羽根をもっているスズメ(雀)のような小鳥ということでキンシジャク(金絲雀)と名付けられました。そのために金絲雀色ともいいます。
 カナリアは改良されて多くの種類がありますが、鳴き声を楽しむローラーカナリアと、姿を楽しむスタイルカナリアに大別されています。
 ブラジルのサッカーチームは強いことで知られていますが、代表選手のユニフォームの色は、ブラジル国旗から採用された黄であることから、「カナリア軍団」と呼ばれ親しまれています。

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